大学生4年生の頭の中

人と自然との関わりのなかで持続可能な暮らしを考える、大学4年生のブログ。

農地法まとめ

 

こんにちは。

今回は日本の農地制度の概要を辿りながら、これからの社会に必要なことについて考えます。この記事を読めば、農地法をバッチリ勉強できちゃいますよ!

 

戦国から江戸

 

日本の農地制度を辿れば、豊臣秀吉まで遡ります。 天下統一を果たした秀吉は、反乱が起きないための統治をつくっていきます。

 

太閤検地によって村の土地を把握し、石高に基づいた徴税を行います。そして、農民が農地を売買することを禁止します。農地の規模拡大によって勢力をもつ農民をつくらないためです。刀狩令によって反乱の手段も失わせました。

 

江戸時代においても、田畑永代売買禁止令による農地の売買を軸として、この政策が継承されています。

 

士農工商という身分関係によって農民は武士に次いで2番目の地位を認められていましたが、実質的には最下位。生産意欲を保たせるために、商人をわざと下位の地位に定めたといわれています。

この時代の農民は、支配される側の人間として協力に管理されていたのです。

 

明治維新

 

明治維新における改革は、農地制度にも強い影響を与えます。農民の農地に対する所有権が認められたのです。それまでは領主のものだったため、土地を取り上げられる可能性が常にあり、不安定な地位のなかで耕作することを強いられていました。四民平等によって農民はその地位を認められたのです。

 

所有権が認められたことによって、農民の生産意欲が急激に高まります。その頃頻発していた武士の反乱を鎮圧する費用が必要だったこともあり、政府が不換紙幣を大量に発行したためインフレが生じ、米価も上昇していました。

 

過度なインフレを抑えるため、松方正義によってデフレ政策が実質されました。これによって、米価は下落。農民は税金を納めることができなくなってしまいました。

 

農民は、土地の「所有権」を担保にしてお金を借り、税金に充てます。結果、返済できない農民は土地の所有権を失ってしまいます。

領主との関係性・信頼性のなかで実質的な土地の所有が認められていた江戸時代に対して、所有権は売買の対象として切り売りされるようになったのです。

 

ただ、金貸しは農民から農地を取り上げず引き続き耕作をさせ、高額な小作料を徴収するようになりました。奇生地主制の始まりです。

 

 資本主義と農村

 

 近代社会が発展していく過程で、農村は常に搾取される対象でした。 

 

地主は小作人から巻き上げた高額な小作料を投資します。小作料が支払えない小作人は、口減らしのために子どもを出稼ぎに行かせ、子どもは低賃金労働者として働くようになります。

 

農村が疲弊していくことによって都市が発展し、日本資本主義は成長したのです。

 

資本主義の発展が農産物市場を形成したため、農民の生産意欲は高まりました。

しかし、その労働環境や小作料に対する不満も高まるばかりで、ついには小作争議が全国で頻発する事態に至りました。

 

 戦後農地改革

 

小作人を解放するために、国が地主から土地を強制買収し、小作人に引き渡しました

そして、現在の農地制度を基礎となる農地法が制定されます。

 

農地法の要旨は、

不在地主の全小作地と、在村地主の1haを除いた小作地の強制買収

②農地保有限度(北海道12ha・本土3ha)

③在村地主に残された小作地での最高小作料率の設定と、小作料の金納化

④農業従事者以外の農地売買・賃貸借の禁止

⑤農地の賃貸借をする際に、当事者の合意に加えて都道府県知事の許可が必要。賃貸借契約更新を拒絶するためにも知事の許可が必要

 

農地以外の売買・賃貸借契約は、当事者の自由な意思に基づいて行われ、国によって規制を加えることは許されていません。

 

農民が自分の所有物として農地を耕作することができるように、法律によって特別に強力な保護を与えたのが農地法です。

 

今、農地法の役割

 

農地法は歴史的な役割を果たし、今や存在意義を失った。他の所有権と同じように自由に売買できるよう改正することで、農産物市場を活発化させることが必要だという考えが大勢を占めてきました。

 

この考えに伴い、農地法は次々に改正されていくことになります。

 

耕作者主義


農地法の大切な原則に、耕作者主義というものがあります。これは、農地の耕作や養畜などの農作業に常時従事している人でなければ、農地の売買・賃貸借ができないという規定。農地法の要旨の4番目です。

 

なぜこのような規則があるのか。答えは、農地の所有者は、その地域の担い手となることが求められているからです。

 

田んぼの水路は上流から下流へと流れます。誰かが掃除を怠れば、または水をとりすぎれば、下流の田んぼへ水は流れない。
水路が詰まらないために、そして景観を保つために、草刈りをする必要もあるでしょう。

田畑を持つということは、これらのような責任が発生することでもあります。

 

地域とまったく関わりのない人が農地をもったら、共同管理が難しくなることはいうまでもないでしょう。

 

2009年の改正では、常時農業従事者以外でも農地を自由に賃貸借することができるようになりました。簡単に言いかえれば、誰もが自由に農業に携わることができるようになってきました。

 

この流れによって、産業としての農業は潤うでしょう。しかし、農村のコミュニティをあまりにも軽視しすぎると、別の問題を生じさせかねないことも考慮するべきだと思います。

 

農村社会から学べること

 

 農村社会を見直してみると、学べることはたくさんあります。

 

前述したように、自分たちが住む地域の担い手として共同体を守る意識には見習うものがあるでしょう。

人に任せる社会 - 大学生4年生の頭の中

 

分け与える文化も考えてみると面白いですね。

所得格差の解決や富の分配が課題とされるなかで、農村では自然とないものを分け合っていました。田舎に行ってといろいろと物をもらった経験はあるのではないでしょうか。

 

改めて日本の暮らしを見直して、現代社会に足りないところを取り入れる工夫ができたらいいですね。